行く度に何かが起こる渓谷
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高知の渓 R439記
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源流部へは町の中心部から川沿いに1時間30分ほど車で遡って行かなくてはならない、最後に渓流が2つに分かれて斜度を増し、源流部は支流が多い渓谷へと変貌する。
その日は単独釣行であった、左支流の無名谷へ入渓するため集落入り口の三叉路を左へ車を進める。林道はダートに変り暗い素掘りのトンネルを抜けると遥か下方に渓谷の流れる音がする。 |
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本流出合から釣り上がり、使われなくなった森林軌道の橋を潜る、苔蒸した渓は水量豊富で小滝の連続であった。 |
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魚影は薄いがそこそこの数がでたところで9寸をゲット、まだまだ上流にも魚は居そうだ、魚影に誘われるまま竿を降り続け小滝を越えて行った。 思ったより早い撤退だった、朝来た林道を引き返す、木材搬出現場は片付いていた、トンネルを抜けて三叉路へ着いた時「もう少しだけ釣りたいな」と思い始めた。 三叉路を過ぎて右支流沿いの集落下を通過していると、ナンバープレートが付いた車が停めてあった、あぁこれは木材搬出作業員の車やな、泊り込みで作業しているのだろうか?。 |
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適当な広場に車を停めて谷音を聞くと直下に瀬の音がする、早速植林を駆け下ってみると美味しそうな谷が続いているではないか・・・。
車へ帰還した頃は完全に帳が降りていた。泣いても問題は解決しないので、針が刺さったままとりあえず家に帰るしかない。この水系特有のクネクネの道、ハンドルを右に左に切り返すと時折針が何所かに触ってその度に激痛が走る「ギィエーーーーッ(TT)」。
翌日は出勤だったので痺れた指先を庇いながら車で出社した、事務所前の外科病院の受付けへ行くと「どうされました?」と聞かれた。「釣りをしていて針が刺さりました、反しが付いているので外せません」と返事すると、「それでは外科で処置しましょうね、4階に上がってください」と言われた。 |
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写真byかいちょ |
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大滝の渕に立ち込んで釣っている会長に声をかけるが聞こえていないようだ、傍らに古い祠があった、会長が竿を仕舞い「なんだか怖い感じやな」と言った、確かにそんな感じでなんだか寒気がする、とても長居をする気になれず急いだ高巻きになった。
両斜面は切り立った所が多いので谷通しかと考えたが、あの祠のある大滝を通過するのは嫌な感じだったので250m上にある尾根に取り付いて尾根筋を撤退することにした。
一週間後、まだ懲りない二人は3本上流の源流へ入渓した、前回足の痙攣に耐えながらも尾根から眺めたこの渓が気になって、次ぎの釣行計画を練っていたのである。 |
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写真byかいちょ |
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そんなことを考えながら上流を目指していると右岸に苔生した石積みの森林軌道跡を発見した、どうやら帰り道は確保できたようである。 |
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写真byかいちょ |
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いくら釣ってもなんぼでも魚が出て限が無いので、魚止めを見ずに納竿することになった。
思ったより早く終わったので、指を釣った支流の源流へ様子を見に行き、山越えで朝来た道とは反対側から帰ることにした。
後日、会長と三叉路で見た女性の話しになった、「会長、あの日三叉路で確かに赤いワンピース見たよね」、「いんやー、白地に黒い水玉やったんと違う・・・ははは」・・・やって。
そして次の年、この渓谷の本流筋を遡行したとき大滝に拒まれて諦めて短い別支流へ再入渓した時、山鳥の飛び立つ音に驚いて足元を木に取られ、頭から谷へ落ちて顔面をしこたま打ってしまった。 |
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写真byかいちょ |
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釣果:忘れた |